株式会社シコメルフードテックは、「“おいしい!”をうみだす仕組みをつくる」をミッションに、飲食店の仕込み工程を外部化・効率化するサービス「シコメル」を展開するスタートアップ企業です。中小飲食店にも導入しやすい仕組みで、2025年1月時点でアプリ登録店舗は1万超。AIによるメニュー開発支援やデリバリーなど、現場の負担を軽減する多角的なサービスも提供しています。
今回は、一度シコメルフードテックを退職し、他社での経験を経たのち再びジョインしたパートナー推進部の和田さんにお話を伺いました。異色の経歴を持つ彼がシコメルフードテックで見つけたやりがい、そして会社の魅力とは何か。そのストーリーに迫ります。
![]()
和田 洋典 / パートナー推進部
アメリカの大学でマーケティングと経営を学んだ後、都内美容クリニックの創業メンバーとしてマネージャーを経験。その後、シコメルフードテックに一度目の入社。オペレーション業務やカスタマーサクセスに携わる。その後Uber Eats Japanでのコンプライアンス業務を経て、2023年にシコメルフードテックへ再入社。現在はパートナー推進部にて、加盟店の売上向上支援や事業推進を担当。趣味は映画鑑賞、ジムでのトレーニング。
裁量権を求めて飛び込んだ創業期。アメリカでの学びとクリニック立ち上げで培った「なんでもやる」精神
![]()
ーーまず、アメリカの大学に通われていたそうですね。渡米のきっかけは何だったのでしょうか?
幼少期から英語を学んでおり、将来は海外で生活するのかなと漠然と考えていました。高校時代にテレビ番組や映画といった映像制作の世界に強い憧れが芽生え、その分野で先進的かつ影響力の大きいアメリカへの進学を決意しました。
ーー映像制作への興味から、マーケティングや経営の道に進まれたのはなぜですか?
当初は映像制作を志望していたんですが、ちょうど私がアメリカにいた頃に、InstagramをはじめとするSNSが急速に影響力を増してた時期で、特に、SNSを通じたマーケティングの可能性に強く惹かれるようになったんです。
私自身もSNSを日常的に使っていましたし、当時アパレルが好きで、自分でECサイトを立ち上げて服を販売した経験もあって。そうした流れでマーケティングへの関心が日に日に高まっていきました。
アメリカの大学はカリキュラムの自由度が高く、自分の興味に応じて様々な分野の授業を履修できたので、最終的にマーケティングや経営を中心に学ぶことになりました。
ーー大学卒業後は、都内の美容クリニックの立ち上げに参画されたのですね。
アメリカ時代の友人が日本で美容クリニックを立ち上げる際に誘ってくれたのがきっかけです。私の、将来経営に関わりたいという思いを汲んでくれました。マネージャーという肩書でしたが、実際は創業メンバーとして採用、経理、マーケティングなど本当に何でもやりました。美容業界に興味があったとかではなく、新卒で大企業に入るより、1年目から裁量を持って多岐にわたる業務に挑戦できる環境が魅力的でした。
ーーそこで得られたスキルや経験で、今に活きているものはありますか?
法人営業の基礎に加え、美容商材を通じて薬事法や、広告表現に関するルールといったコンプライアンス関連の知識を深められたことは大きな経験でした。
特にこのコンプライアンスに関する知見は、後のキャリアでも非常に重要になっていく分野でした。当時は手探りながら、独学や経験豊富な看護師の方にアドバイスをいただき、一つひとつ対応していった形です。
飲食業界への情熱とビジネスモデルへの共感。一度目のシコメル、そしてUber Eatsでの挑戦
![]()
ーーそして、一度目のシコメルフードテックへのご入社をされていますね。
はい。美容クリニックでは都内と名古屋に合わせて2店舗の立ち上げを経験し、何か新しいことに挑戦したいという気持ちが強くなっていました。そんな時、元々食への関心が高く、クリニックでの経営やマーケティング経験を活かせる「食」分野の仕事を探す中で「シコメル」と出会ったんです。
初めてビジネスモデルを知った時、非常に斬新だと感じました。飲食店の「仕込み」という、どのお店も必ず抱える普遍的な課題に着目し、それを解決しようというもので、誰もがその必要性を感じながらも、なかなか実現が難しい領域だと思ったんです。特に、現会長の西原が、自社工場を持ちながらも飲食店の現場が抱える悩みに真摯に向き合い、具体的な解決策を模索している姿勢に強く共感しました。その取り組みが持つ可能性に大きな魅力を感じ、入社を決意いたしました。
ーー当時はオペレーション部に所属されていたとのことですが、どのような業務を?
まずは倉庫関連業務からスタートしました。具体的には食材の出荷指示や在庫管理などです。その後、一部カスタマーサクセス業務にも携わりました。飲食業界の知識は乏しかったですが、オペレーション業務を通じて食材の流れや飲食店の課題を深く理解できました。他部署との連携も日常的で、コミュニケーション能力も鍛えられました。
ーーその後、一度シコメルを離れ、Uber Eats Japanに転職されていますね。
当時、会社が事業方針や組織体制を見直すフェーズだったため一度離れる決断をしました。英語スキルを活かせる環境と、急成長し始めていたフードデリバリー業界に魅力を感じ、Uber Eats Japanを選びました。
マーケットプレイスという運営チームに配属され、主にコンプライアンス関連業務を担当しました。具体的には、Uber Eatsのプラットフォームを利用する店舗様や配達員様が遵守すべきルール策定やリスク管理、そのためのマニュアル作成、そして本社(海外)との連携などです。
美容クリニック時代に薬事法や広告表現の規制といった法規に触れ、コンプライアンスの重要性を肌で感じていた経験は、新しいルール策定やリスク管理に向き合う上での土台になっていたと思いますし、抵抗なく業務に入ることができました。
ーーUber Eatsでの経験で得られたものは何ですか?
急成長していたフードデリバリー業界のダイナミズムや、プラットフォームの運用方法、多くの店舗様や配達員様との連携の仕組みなど、ビジネス構造を深く理解できたことは大きな収穫でした。また、グローバルに展開するサービスでありながら、日本市場特有の状況、例えばVR(バーチャルレストラン)業態の動向など、ローカルな市場特性についても知見を得られました。
そして、コンプライアンスの知識を、より専門的かつ大規模な組織で深めることができました。グローバル企業におけるリスク管理の考え方や、多様なステークホルダーとの複雑な調整業務は、非常に勉強になりましたね。
「この人と働きたい」熱い想いを胸に再びシコメルへ。パートナー推進部で挑む事業の最前線
![]()
ーーそして、再びシコメルフードテックへ。再入社を決意された最大の理由は何だったのでしょうか?
Uber Eats在籍中も、シコメルでお世話になった方々とは連絡を取り合っていました。特に、私が退職する直前に入社された、現・事業部長の小川さんの仕事の進め方や周囲を巻き込む力、マネジメント能力に強く惹かれ、「一緒に働きたい」という思いが募りました。退職後も「うちに来ないか」と何度も声をかけてくださり、その熱意と私自身の挑戦したい気持ちが重なり、再入社を決めました。
ーー現在はパートナー推進部でどのような業務をされているのですか?
主な業務は、弊社のデリバリーブランドパッケージ「デリバル」事業の推進です。新規加盟店様の獲得営業も行いますが、メインは既存加盟店様のカスタマーサクセス。Uber Eatsなどのプラットフォーム上で、加盟店様の売上を伸ばすための施策立案やコンサルティング、マーケティング支援などを行っています。
例えば、あるカレー店様では、担当する前は月の売上が30万円未満だったのですが、売り上げを上げたいという想いがありました。外国籍の方が経営されておりコミュニケーションも容易ではありませんでしたが、営業時間やメニュー構成、プラットフォーム活用法などを一つひとつ丁寧に見直し改善提案を重ねました。結果、3ヶ月後には月商150万円を達成でき、大きな成功体験となりましたね。
ーーUber Eatsでの経験はどのように活かされていますか?
実はスタートアップならではの、事業の存続に関わるような難しい局面もあったんですが、Uber Eatsでの知見や経験を活かして乗り越えることができて。自分自身が大きく貢献できたと実感できる、印象的なシーンでしたね。
また、Uber Eatsのプラットフォームの特性を理解していることは、加盟店様への具体的なアドバイスに繋がっているので、その点でも経験が活きています。
ーーお仕事をする上で、大切にされている考え方を教えてください。
「店舗様と誠実に向き合うこと」そして「決めたことを最後までやりきること」です。店舗様が抱える悩みに真摯に耳を傾け、課題解決に向けて伴走することで結果はついてくると信じています。カレー店様の例のように、自分の介在価値で店舗様の売上が向上し、「ありがとう」と感謝された時に大きなやりがいを感じます。
また、どんな状況でも「できない」と言う前に、どうすればできるかを考えやり遂げることを信条としています。
変化を楽しみ、食の未来を共に創る仲間を求めて
![]()
ーーシコメルフードテックの社風や魅力はどんなところに感じますか?
役職や年齢に関わらずオープンにコミュニケーションが取れる環境です。困ったことがあればすぐに相談でき、部署の垣根を越えて助け合う文化が根付いています。
ビジネス面では、飲食業界が抱える「人手不足」という大きな社会課題に真正面から取り組んでいる点に意義を感じています。私たちのサービスが業界全体の活性化に貢献できる可能性があるのはエキサイティングです。
また、スタートアップなので変化も多く挑戦が求められますが、その分、個人の成長機会も豊富で、事業の成長をダイレクトに感じられるのは大きな魅力です。
ーー今後の目標についてお聞かせください。
パートナー推進部としては、加盟店様のサポート体制をさらに強化し、多くの飲食店様が「デリバル」を通じて成功できるよう支援したいです。デリバリー市場も変化が激しいので、それに対応しつつ、デリバリーに代わる新たな収益の柱となる新規事業の立ち上げにも貢献したいです。
個人としては、小川さんのような、周囲から信頼され、高いマネジメントスキルを持つ人物になることを目指しています。そして、将来的にはシコメルフードテックでマネジメントの役割を担い、チームや事業の成長に貢献していきたいと考えています。
ーー最後に、今後どんな方と一緒に働きたいですか?
一言で言うと、「やりきる力」と「誠実さ」を持った方ですね。どんな相手に対しても誠実に向き合い、課題解決に向けて粘り強く取り組める方が向いていると思います。シコメルフードテックは、変化を楽しみながら新しいことにチャレンジしたい方、食の未来をより良くしたいという情熱を持った方には非常にエキサイティングな環境です。私たちと一緒に飲食業界の課題解決に挑戦しましょう。
===================
★こちらもあわせてご覧ください★